ケイ素を導入したツバスタチンA類縁体から、肝線維症向けの選択的HDAC3阻害薬
- ツバスタチンAのキャップ部位と亜鉛結合モチーフの両方を見直し、ケイ素含有アルキルヒドラジドを導入することで、HDAC3への選択性を高める設計を行った。
- 主要化合物6bはHDAC3を低ナノモルで阻害し、HDAC5、HDAC6、HDAC8に対して明確な選択性を示し、ドッキング計算も結合様式を裏付けた。TGF-βで刺激した星細胞および類洞内皮細胞モデルで抗線維化作用を示し、ADMET特性も良好だった。
- CCl4誘発マウス肝線維症モデルでは、6bは肝酵素値と線維化マーカーを低下させ組織像も改善し、ツバスタチンAやニンテダニブを上回った。作用機序として、ヒストンアセチル化の変化を介したTGF-β/Smadシグナルの抑制が示唆された。
💡 ポイント
HDAC6寄りの骨格でキャップ部位と亜鉛結合基をともに入れ替え、HDAC3選択性へ導いた転換は巧妙で、ケイ素含有アルキルヒドラジドは自分のライブラリにも加えたいケモタイプだ。とはいえ、選択性の根拠がドッキングだけで足りるのか、ヒドラジドが長期投与の代謝と安全性に耐えるのかは疑わしい。CCl4モデル1つでニンテダニブを上回った結果は励みになるが、結論には至らない。