亜鉛輸送体ZIP12を阻害する抗体が肺動脈細胞のリモデリングを抑え、初期臨床で忍容性も示した
- ZIP12はPAHのリモデリングした肺細動脈で増加する亜鉛輸送体である。ヒト平滑筋細胞で過剰発現させると細胞内の遊離亜鉛が増えて増殖が促進され、ノックダウンはげっ歯類で病態を軽減した。
- ヒト化抗体APL-9796は亜鉛濃度を正常化し、患者由来線維芽細胞、平滑筋細胞、作製した動脈組織で増殖、細胞骨格の変化、収縮性を抑えた。
- ヒト化Slc39a12ラットでは用量依存的に心肺指標を改善し、第1相試験でも忍容性は良好だった。トランスクリプトーム解析ではAMPK、PPAR、PI3K-Akt経路の関与が示唆された。
💡 ポイント
ヒト組織での発現上昇とげっ歯類でのノックダウンはZIP12を支持するが、ヒトの機能喪失型遺伝学の裏付けがない以上、標的妥当性は相関の域を出ない。ヒト化ラットも抗体に都合のよい系であり、リモデリングした細動脈でZIP12にどれだけ結合しているかは読み取れない。第1相の忍容性は有効性の証拠ではなく、PAHでの臨床への橋渡しの溝は依然として大きい。
Targeting ZIP12-mediated Zn2+ signaling as a treatment for pulmonary hypertension ↗