乳がん異種移植モデルで腫瘍増殖を抑えるPARP/BRD4二重阻害薬D6
- BRD4阻害が相同組換え修復を弱めることに着目し、がん細胞のPARP阻害への感受性を高める目的でPARP/BRD4二重阻害薬を設計・合成した。
- 構造活性相関の最適化によりD6を見いだした。D6はPARP1とBRD4の両方を低ナノモル域で阻害し、乳がん・膵がん細胞の増殖、コロニー形成、転移関連の表現型を抑えた。
- D6はBRD4-cJUN-CCL2経路を抑制し、マクロファージの動員とマクロファージによるがん細胞の浸潤を減らした。
- 乳がん異種移植モデルでは、明らかな毒性なしに腫瘍の増殖を抑えた。
💡 ポイント
1分子で2標的を狙う設計は机上では美しいが、難所はバランスにある。同じ曝露でPARP1とBRD4の両方を許容可能な用量で押さえ続けられるのか、それともBRD4の占有が毒性の主因になるのか。ファーマコフォア融合の成否は、D6をPARP阻害薬とBET阻害薬の併用と比べた結果や、他のブロモドメインへの選択性を見てから判断したい。