KRAS G12D阻害薬INCB161734:経口ツール化合物から臨床試験へ

  • 経口投与できるツール化合物を出発点に、活性と薬物動態を同時に調整し、ヒト予測用量の引き下げをめざした。
  • 代謝を受ける部位を突き止めたことで、クリアランスの低い誘導体の設計につながった。
  • 分子サイズを抑えながらsp3性を高めると、膜透過性と結晶の溶解性が向上した。
  • こうして得たINCB161734は経口曝露が高く、異種移植モデルで腫瘍の増殖を抑え、野生型RASアイソフォームへの作用は小さい。現在は臨床試験の段階にある。
💡 ポイント アブストラクトに基づく見解

代謝物同定で潰したクリアランスにFsp3の引き上げを重ね、ヒト予測用量を下げていく。塩基性で極性の高いG12D骨格では定石の組み立てで、最初に躓きやすいのは透過性だ。残る疑問は二つある。野生型RASへの影響の小ささが本物の選択性なのか、細胞アッセイ上の見かけの窓にすぎないのか。そして、経口曝露の確保に苦労したMRTX1133と比べてどうか。

Discovery of INCB161734: A Selective Inhibitor of the KRAS G12D Mutant ↗