分子動力学シミュレーションを活用した選択的FGFR1不可逆阻害薬の設計
- 分子動力学シミュレーションにより、FGFR1のPループは他のFGFRサブタイプとは異なる立体配座をとることが示され、サブタイプ選択性の手がかりとなった。
- リンカーの配座自由度を制限する最適化によって、強力かつ選択的な共有結合型FGFR1阻害薬である化合物24が得られた。
- シミュレーションでは、弾頭がPループのシステインと反応しやすい位置にあり、共有結合形成後もヒンジ領域との相互作用を保ちつつFGFR1特有の配座に適合することが示された。
- 化合物24は、細胞およびCDX・PDXモデルでFGFR1依存性の腫瘍増殖を抑制した。
💡 ポイント
FGFR1でだけ形の異なるPループのシステインを狙えば、可逆的なヒンジ結合剤では届きにくいサブタイプ選択性が手に入る。引っかかるのは、結論のどこまでがシミュレーションに支えられているかだ。選択性はキナーゼ全体で実測されたのか、弾頭の反応性はオフターゲットを避けられる程度に抑えられているのか。リンカーの剛直化は、自分のシリーズにも持ち帰れる実践的な教訓である。