DNAコード化ライブラリーから、アルツハイマー病向けの経口脳移行性CHI3L1調節薬を取得
- 超大規模なDNAコード化ライブラリーのスクリーニングから、脳に移行するDELC2が得られた。生物物理学的解析と結晶構造解析で、CHI3L1の糖鎖認識溝に結合しRAGEとの相互作用を妨げることが示された。
- グリア細胞培養では炎症性シグナルを抑え、反応性ミクログリアのマーカーを減らし、アミロイドβの取り込みを回復させた。CHI3L1の除去と再導入の実験も標的特異性を支持した。
- 5xFADマウスへの経口投与で、非結合型薬物の脳内曝露が持続し、認知機能が改善、アミロイドβが減り、グリアの炎症プログラムも鎮まった。
💡 ポイント
経口投与後に非結合型薬物の脳内曝露が続く点は、この研究でまず信頼できる部分だ。認知改善を、想定ではなく実際の標的占有と照らして読めるからである。残る問いは二つある。CHI3L1–RAGE軸の遮断が有益だと示すヒト遺伝学的な裏付けはあるのか。in vivoの効果はCHI3L1そのものへの結合と連動しているのか。急速にアミロイドが蓄積するマウスは結果が出やすいモデルで、しかも査読前のプレプリントである。