カスダチファンの代替合成経路:銅触媒によるシクロプロパンの立体特異的開環

  • キラルなジオールからエナンチオ富化された2-アリールシクロプロパンジエステルを調製し、HIF-2α阻害薬カスダチファンの形式合成の出発点とする。
  • 新規な工程は、官能基化アリールグリニャール試薬による銅(I)触媒の立体特異的開環で、到達が難しいとされる立体中心を構築する。
  • 終盤のフリーデル・クラフツ環化でテトラリン環を形成し、既存の製造ルートで用いられるジケトン中間体を得ることで、低コストな供給の選択肢となる。
💡 ポイント

キラルなジオールから安価にキラリティーを移し、シクロプロパンをCu/Grignardで立体特異的に開環してアリール置換の不斉中心を作るのは手堅く、別のアリールGrignardを使えば類縁体展開にも効くはず。既存のジオン中間体に合流させたので、下流工程の再検証が要らないのが巧い。ただ、官能基付きGrignardと終盤のFriedel–Craftsは、コスト面の利点を言う前にスケールでの実証が要る。

Formal Synthesis of HIF-2α Inhibitor Casdatifan (AB521): Stereospecific Copper(I)-Mediated Ring Opening of Chiral 2-Aryl-cyclopropane-1,1-dicarboxylate with Aryl Grignard Reagents ↗