共有結合性阻害薬の速度論を測定し、生体内の薬効へつなぐレビュー

  • リード選択は平衡論的なIC50に頼りがちだが、体内で薬物・標的の濃度が時間とともに変動する点を捉えられず、不可逆的な共有結合性薬剤で特に問題となる。
  • 本レビューはkinactとKIを測る手法を整理する。進行曲線解析、複数時点IC50フィッティングによるライブラリの絞り込み、質量分析による付加体・部位確認、SPR/NMR、洗い出し実験による可逆性と滞留時間の評価などである。
  • さらにこれらの速度定数を、タンパク質ターンオーバー、標的の脆弱性、薬物動態という観点から薬理へ結び付け、BTK、JAK3、KRAS G12C、EGFRの事例で示す。
💡 ポイント

共有結合性ヒットの単一時点IC50はほぼ意味を持たない。効力は反応時間とともに動くため、これで順位付けすると最良のkinact/KIを持つ化合物を取りこぼしかねない。難しいのは外挿のほうで、生体内の占有率は標的の再合成速度に左右されるため、ターンオーバーの速いタンパク質ではウォーヘッドを磨いても効果が鈍る。速度論を信じる前に、まずターンオーバーを測りたい。

Only time will tell: Modelling the kinetics of covalent inhibitors ↗