選択的HDAC11阻害薬PB151、脂質代謝の再編で肝細胞がんを抑制
- 構造情報に基づく設計により、他のHDACアイソフォームに対して高い選択性を示す強力なHDAC11阻害薬PB151が得られた。
- 肝がん細胞では標的に結合して基質SHMT2を蓄積させ、増殖を抑えアポトーシスを誘導した。
- マウス同所性肝がんモデルへの非経口投与で、腫瘍量の減少と生存期間の延長がみられ、肝構造は保たれ明らかな毒性もなかった。
- 作用機序として、LKB1-AMPK経路の活性化、FASNの低下、ACC1リン酸化の上昇を通じて脂質の蓄積を抑える。
💡 ポイント
HDAC11は、選択性を「主張する」のは簡単でも「勝ち取る」のは難しいアイソフォームだ。脂肪酸アシル脱アシル化酵素としてのポケットが、古典的な亜鉛加水分解型HDACとは異なるためである。PB151が本当に他のアイソフォームを避けているなら、多くのヒドロキサム酸系ツール化合物より優れている。ただ、標的結合の読み出しはSHMT2の上昇だけで、LKB1-AMPKの話は下流の現象であり、オフターゲットの可能性も残る。まずCETSAと不活性アナログが欲しい。非経口投与では経口曝露についてもほとんど分からない。