メトホルミンはラットの報酬系脳領域に到達し、雄でのみコカイン感作を抑制した

  • 依存症への再利用が検討されている糖尿病薬メトホルミンを、ラットに飲水で1週間から数週間投与し、血中および線条体・前頭前野の濃度を質量分析で測定した。
  • 脳内濃度は、サンプリングした各領域で雌雄とも同程度だった。濃度が高いほどラットが飲水量を減らしたため、濃い溶液が必ずしも血中・脳内濃度の上昇につながらなかった。
  • メトホルミン水の自由摂取は雄でのみコカイン運動感作を防いだ。著者らはこれを、血液脳関門を介した体内分布の性差を示唆するものと解釈している。
💡 ポイント アブストラクトに基づく見解

メトホルミンが脳に入ることを前提にした再利用研究が多い中、実測の脳内濃度が出たのはありがたい。ただ飲水投与での曝露の定義は雑だ。高用量では飲水量が減るし、ラットは夜行性で飲むため、ピークとトラフが制御できない。組織総濃度では、AMPKや複合体I阻害が働く遊離型・細胞内・ミトコンドリア内濃度も分からない。次は強制経口投与か浸透圧ポンプで、雌雄とも用量反応を取るべきだ。

Metformin pharmacokinetics in the rat brain: dose- and time-dependent concentrations in reward-relevant regions and differential effects on cocaine locomotor sensitization ↗