プロピルヒドラジド亜鉛結合基を持つ非細胞毒性HDAC3選択的分解誘導剤
- HDAC3選択性を示す阻害剤FL-007を出発点に、プロピルヒドラジド亜鉛結合基を用い、2種類のリンカー出口位置を検討してクラスI HDAC分解誘導剤を設計した。
- 得られた化合物はHDAC1、HDAC2、HDAC3を程度の差はあれ阻害しつつ、免疫ブロットおよびHiBiT/LgBiTアッセイにより複数の細胞株でHDAC3を選択的に減少させた。
- がん細胞・正常細胞のいずれでも細胞毒性は示さず、HDAC3の減少は耐性細胞でシスプラチン感受性をわずかに高めたが、細胞毒性のある阻害剤ほど強くなく、ヒストンH3アセチル化とp21発現の上昇と並行していた。
💡 ポイント
ここでは分解と阻害が切り離されている。HDAC1/2も阻害するのにHDAC3だけが減るため、アイソフォーム選択性を決めているのはZBGではなくリンカーの出口ベクトルだろう。三者複合体設計には有用な知見だ。ただ、細胞毒性がなくシスプラチン増感も弱い点は、HDAC3の足場機能の喪失だけでは表現型が穏やかなことを示唆する。分解薬の優位性を信じるには、触媒不活性変異体によるレスキュー実験が欲しい。