抗精神病薬フルフェナジンがLYNキナーゼを標的に肺腺がんでフェロトーシスを誘導

  • Connectivity Map解析により、抗精神病薬フルフェナジンが肺腺がんに対する候補として浮上した。中枢神経系薬の安全性の実績と脳への移行性が着想の背景にある。
  • フルフェナジンはLYNキナーゼに直接結合し、特定のロイシン残基が重要な接点となる。腫瘍細胞の増殖と転移を抑え、LYNは肺がんで特に多く発現している。
  • LYNの阻害によりFAKシグナルが弱まりGPX4が低下して、細胞はフェロトーシスに傾く。脳移行性のある既存薬を腫瘍学へ再利用する考え方を後押しする結果である。
💡 ポイント アブストラクトに基づく見解

フェノチアジン系は標的が広いことで有名で、LYNへの結合を示しただけでは、LYNが主因なのか数ある標的の一つにすぎないのか判断できない。さらに抗腫瘍効果には通常マイクロモル域の曝露が要るが、耐容される抗精神病薬用量での到達濃度はそれを下回る。投資を増やす前に、生体内曝露とキナーゼ選択性パネルを確認したい。

Direct targeting of LYN kinase by fluphenazine triggers ferroptosis to suppress lung adenocarcinoma ↗