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2026-10-24 のダイジェスト

2026-10-24

本日はサイエンス6件:PIM阻害薬、A2A/A2B二重拮抗薬、抗ターゲット回避のドッキング/FEP設計、MKRN2共有結合型グルー、脳移行性NLRP3阻害薬、STAT6ベンズイミダゾール。業界はRoche–Zymeworks、Gilead–PepStar、Pathosの調達、Alnylamのハンチントン病計画。

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メドケム

3件

A2A/A2B二重拮抗の新骨格、MSS大腸がんの抗PD-1効果を増強

  • イミダゾ[1,2-a]ピラジン-ウレアが、A2A/A2B二重拮抗薬の新規ケモタイプとして見出された。
  • SARでは母核3位のヨウ素化が親和性と機能的拮抗を高め、シミュレーションでは両受容体のオルソステリックポケットで異なる結合様式が示唆された。
  • リードはT細胞のサイトカイン産生を回復させ、T細胞浸潤を増やし、CD73高発現の大腸がんモデルで抗PD-1効果を高めた。
💡 ポイント

CD73高発現腫瘍ではアデノシンが両受容体に作用するため二重遮断は筋が通るが、難しいのは通常A1・A3に対するA2B選択性だ。3位ヨウ素は親和性に効く一方、代謝安定性や脂溶性効率の懸念が出るので気になる。ヨウ素をより小さい、あるいは脂溶性の低い基に置き換えられるかが次の実験だろう。

Imidazo[1,2-a]pyrazine Derivatives as Dual A2A/A2B Adenosine Receptor Antagonists Enhancing Anti-PD-1 Antibody Therapy in Colorectal Cancer ↗

2つのPIM骨格を融合、血小板毒性を抑えた経口AMLリード

  • 臨床PIM阻害薬PIM447と別のPIM骨格(C28)をハイブリッド化し、ピリジン-ジヒドロピロロピロリドン系列を得た。
  • リード化合物はPIM-1/2/3を阻害し、BADなど基質のリン酸化を低下させ、AML細胞株でアポトーシスとG2/M停止を誘導した。
  • 約200キナーゼのパネルで選択性が高く、経口バイオアベイラビリティも良好。AMLの異種移植でC28より血小板毒性を抑えつつ腫瘍増殖を抑制した。
💡 ポイント

PIM阻害薬が十分な用量に達しにくかった理由は血小板毒性で、効力よりもその余裕が改善した点が注目どころだ。改善がアイソフォームのバランスによるのか、骨髄への曝露低下によるのかは確認したい。遺伝的背景の異なるAMLモデルでのデータがない現時点では、確定リードというより有望な骨格として見る。

Discovery of Novel Pyridine-Dihydropyrrolo[3,4-b]Pyrrolidone Derivatives as Orally Active PIM Kinase Inhibitors for the Treatment of Acute Myeloid Leukemia ↗

Belharraのベンズイミダゾール、IL-4/IL-13下流のSTAT6を直接阻害

  • Belharra Therapeuticsが開示した、STAT6を直接阻害する置換ベンズイミダゾールの特許ハイライト。
  • STAT6はIL-4とIL-13のシグナルを、アレルギー疾患の基盤となる2型炎症プログラムへ伝える。
  • 生化学活性はサブマイクロモルで、細胞外のIL-4/IL-13を標的とする生物学的製剤に代わる経口の経路特異的薬となる可能性を示す。
💡 ポイント

転写因子は創薬可能性が最も低い領域で、サブマイクロモルの活性でもSTAT6への直接結合を示す特許は追う価値がある。生化学活性は簡単な半分で、細胞内の標的結合と他のSTATファミリーを避けられるかが勝負だ。デュピルマブ級の生物製剤との比較はまだ先の話。

Direct STAT6 Inhibition: Benzimidazoles Move Type 2 Inflammation Downstream ↗

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薬理

2件

ケモプロテオミクスで、新規アロステリック部位に結合する脳移行性共有結合型NLRP3阻害薬

  • ケモプロテオミクスにより、共有結合型のNLRP3阻害薬が見出された。
  • この化合物は脳移行性があり、これまで報告のないアロステリックポケットに結合するとされる。
  • 執筆時点で確認できたのはタイトルと掲載情報のみで、活性・選択性・薬効データは扱わない。
💡 ポイント

NLRP3にはMCC950型の可逆的な化学がすでに多く、ここでの関心は別のポケットと、脳曝露による神経炎症への道筋にある。CNS薬の共有結合性ウォーヘッドにはプロテオーム全体での選択性が必須で、標的残基は耐性や種差の面でも重要になる。新しいポケットは他グループにとって第二の設計対象になる。

Chemoproteomic discovery of a brain-penetrant, covalent NLRP3 inhibitor that binds a novel allosteric pocket ↗

共有結合型グルーがMKRN2を介してRPS7を分解、p53欠損肺がんに合成致死

  • 共有結合型分子グルーがE3リガーゼMKRN2に作用し、リボソームタンパク質RPS7の分解を誘導すると報告された。
  • この作用はp53欠損の非小細胞肺がん細胞で合成致死を引き起こす。
  • 執筆時点で確認できたのはタイトルと掲載情報のみで、作用機序やin vivoの詳細は本稿では扱わない。
💡 ポイント

目を引く点は二つある。E3が通常のCRBN/VHLではなくMKRN2であること、基質がリボソームタンパク質であることで、p53欠損への依存は古典的な標的喪失ではなくストレス応答の話になる。非標準リガーゼへの共有結合は新規性が魅力だが、真剣に評価するには選択性プロテオミクスの結果が要る。

A covalent molecular glue hijacks the E3 ligase MKRN2 to degrade the ribosomal protein RPS7 and induce synthetic lethality in p53-deficient NSCLC cells ↗

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計算・AI創薬

1件

誘導適合ドッキングとFEPで、CYP・hERG・PXRへの結合を設計で避ける

  • CYP3A4、CYP2D6、hERG、PXRなどのアンチターゲットは大きく柔軟な結合部位をもち、構造ベース設計が難しい。
  • 誘導適合ドッキングと自由エネルギー摂動(FEP)を組み合わせ、同族列で共通の結合モードを課すことで受容体のコンフォメーションを効率よく探索する。
  • 公開の後ろ向きデータセットで検証し、進行中の創薬プログラムにも前向きに適用した。
💡 ポイント

多くのチームはhERGやCYPを事後のアッセイ課題として扱うが、こうした promiscuous なポケットでFEPが使えれば、リスク回避を設計サイクルに組み込める。共通結合モードの制約は巧みだが、同族列にしか使えないという限界でもある。調整に使った系列を超えて通用するかは、新規骨格での前向きな的中率が示すだろう。

Accelerating Lead Optimization Away from Anti-Targets: Navigating the Structural Complexity of Promiscuous ADMET Proteins ↗

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業界ニュース

4件

Alnylam、ハンチントン病RNAi薬brezosiranをプラセボ対照試験へ

  • Alnylamは、ハンチントン病向けRNAi薬brezosiranを2027年にプラセボ対照試験へ進める。
  • 開始は規制当局との合意が得られることが前提。
  • BioSpaceは見出しでデータを「best-in-classのノックダウン」と表現するが、詳細な数値はフィード本文にはなかった。
💡 ポイント

ハンチンチンのノックダウンは最初の関門にすぎず、ピボタル試験では臨床的ベネフィットを示す必要があり、HTT低下プログラムが過去につまずいたのもそこだ。規制合意が前提という点は、エンドポイントがまだ決まっていないことを意味する。RNAi分野にとっては、CNS適応で強い標的結合が示されれば、肝臓中心の製品を超える説得力になる。

Alnylam plans pivotal trial as Huntington’s drug notches ‘best-in-class knockdown’ ↗

Gilead、中国PepStarからIL-23プログラムを導入しIBDパイプラインを拡充

  • Gileadは、中国のPepStar Therapeuticsから新たな炎症性疾患プログラムを導入した。
  • Gileadの第2相炎症性腸疾患資産emvistegrastと組み合わせる位置づけ。
  • BioSpaceの見出しは13億ドルという金額を示すが、モダリティや内訳はフィード本文からは確認できなかった。
💡 ポイント

IL-23資産をemvistegrastと並べる構図は、単一経路の薬剤が頭打ちになりがちなIBDで、併用や使い分けを狙う動きに見える。中国発のI&Iライセンスがまた一件という点も、欧米製薬が早期に買う流れに合う。支払いの内訳が分かるまで、見出しの金額からGileadの実際のコミットは読み取れない。

Gilead shops in IL-23, inking $1.3B upfront I&I deal with China’s PepStar ↗

Pathos AIが2.37億ドルのシリーズE調達、Bristol Myersと神経領域で提携

  • AI創薬のPathos AIが、評価額30億ドルでシリーズEとして2.37億ドルを調達した。
  • Endpointsは、調達額が同社に関連づけられていた3億ドルを下回ったと指摘している。
  • 同社はBristol Myers Squibbと神経領域での提携も締結したが、条件はフィード本文からは確認できなかった。
💡 ポイント

目標を下回る調達でも評価額30億ドルという点は、AIバイオ企業に投資家がなお資金を出すが、無条件ではないことを示す。むしろBMSとの神経領域提携が裏付けとして重要で、大手は難しいCNS生物学ではプラットフォームを買い切るより提携を選ぶ傾向がうかがえる。契約が実質的なマイルストーンを含むのか、単なるプラットフォーム料かに注目したい。

Pathos raises $237M at $3B valuation, signs Bristol Myers neuro partnership ↗

Roche、Zymeworksの三重特異性T細胞エンゲージャーの全世界権利を取得

  • Rocheは、前臨床の三重特異性T細胞エンゲージャーの全世界権利に対し、Zymeworksに契約一時金5,500万ドルを支払う。
  • 総額は最大8億1,300万ドル。
  • Endpointsは、AmgenのImdelltraと直接競合しうると伝えている。
💡 ポイント

前臨床資産で一時金5,500万ドル、総額8億1,300万ドルという構成は典型的なオプション型で、分子が実証されるまでRocheの支出は小さい。注目はベンチマークで、Imdelltraを挙げる点はDLL3型の小細胞肺がんを狙う意図を示唆する。Zymeworksにとっては、臨床開発費を負わずに多重特異性プラットフォームの価値を裏付ける取引だ。

Roche taps Zymeworks in up to $813M deal for preclinical T cell engager ↗